2012年5月28日月曜日

CPUクーラー交換 Cooler Master製 Hyper 212 EVO

リテールCPUクーラーをCooler Master製 Hyper 212 EVOに交換した。
http://www.coolermaster.co.jp/product.php?product_id=6752
2012年5月10日購入 3,776円 e-TRENDにて

CPUを定格で使っている限りリテールクーラーの冷却性能でおおむね問題は無いが、CPUに高負荷がかかると静音性についてはほとんど配慮していないのであろう、うるさくて堪らない。
4000rpmくらいから音が気になりだすレベル。その後、5000rpmになるあたりまで一段と音が大きくなった後は最大回転数(この季節でなんと約6800rpm!本当に計測表示通りこんなに回転しているんやろか?)まで同じくらいの騒音が続く。ロボットアニメよろしく、CPU部分が勝手に分離して離陸しちゃいそうだ。
ファンだけ大型のものに交換する手法もあるが、PCケース Corsair製 Carbide 300Rのレビューの執筆にあたりCPUクーラーの交換を約束しているので今回はパス。
ってことで夏が来る前に冷却性能が高く、かつ静かな社外品CPUクーラーに交換することにした。AMDのCPU FX-8120ちゃんは発熱多めだしね。

Cooler Master製 Hyper 212 EVOは空冷式薄型サイドフロータイプ。
簡易水冷式クーラーが最近の流行りだが、取り付けが簡単過ぎるので今回は見送った。PCケース Corsair製 Carbide 300Rのレビューでの約束通り、マザーボードトレーのCPUクーラーバックプレート取り付け用の穴を利用して交換するのだが、せっかくなら取り付け難易度がより高い空冷式クーラーを選んでおこうかと思った次第。定格動作しかさせないので空冷式の冷却性能で十分過ぎるし。
どうもトップフロータイプよりもサイドフロータイプの方が冷却性能が高いらしいと耳にしていたのでサイドフローを選んだ。薄型なのは取り付けのしやすさと軽さを考慮したもので、冷却性能は薄型で十分だろうと考えた。
本製品を選んだのはネット通販で3,776円(送料無料)と比較的安かったのと、ヒートパイプ4本がCPUとの接合面できれいにくっついて並んでいるのが目を引いたから。CDC技術というそうだ。
是非ナデナデ、もとい、加工精度を実際に手で触れて確認してみたかった。

交換前のリテールクーラー
ファンのサイズは7cm。こんなに小さいとそりゃ回転数上げて風量を稼がざるをえないわ。

交換後のCooler Master製 Hyper 212 EVO
こちらのファンは12cm。ヒートシンクも大きいし、ファンの最大回転数が2000+10%rpmでも十分な冷却性能があるのだろう。
AMD系CPUに取り付けるとクーラーはこの向きでPCケース天板方向へ排気するが、Intel系CPUの一部には取り付けると向きが90度変わってケース背面へ向かって排気することになるものがある。



CPUクーラー取り付け編
交換時のPCパーツ一覧
CPU:    AMD製 FX-8120 BOX
CPUクーラー:本製品(Cooler Master製 Hyper 212 EVO) グリスはクーラー付属グリスを使用
M/B:    GIGABYTE製 GA-990FXA-UD3 Rev.1.0
メモリ:    Corsair製 CMZ8GX3M2A1866C9R [DDR3 PC3-15000 4GB 2枚組(合計8GB)]
GPU:    GALAXY製 GF P98GT/512D3/LOW POWER
SSD:    A-DATA製 AS510S3-120GM-C (システムドライブ)
HDD:    日立製 HDT722516DLA380 [160GB ATA2 7200rpm] (データドライブ)
光学ドライブ: LG製 GH24NS70WH バルク [DVDマルチドライブ]
電源:    玄人志向製 KRPW-SS600W/85+ [80BRONZE]
ケース:   Corsair製 Carbide 300R
OS:     OS:Windows7 Professional 64bit SP1 [DSP版]

①バックプレートの取り付け
PCケースCorsair製Carbide 300RにはマザーボードトレーにCPUクーラーのバックプレート取り付け用の穴が開いているので、マザーボードを取り外す必要が無い。この穴を利用して早速バックプレートを取り付けてみた。
先ず、マザーボード裏面が天井側を向くようにPCケースを横倒しにして、浮かして腕が入る隙間分を確保した。バックプレートを押さえつつ、PCケースに反対側から手を回してねじとナットで挟み込むのは不安定でなかなか難しいが、我慢強く取り付けていく。
ずれないように対角線に何度かに分けて徐々にねじを締めた。

②グリス塗布
メインイベント。
塗布前にCPU上にクーラーを置いてみると、接合面はわずかにクーラーの方が狭い。ということでクーラー側に塗布することにした。
自分はヘラの代わりに今となっては懐かしい、引き出しの奥に眠っている不要なテレホンカードを使う。これはQuoカード等の似たものなら別に何でも良い。使い始めにちょっと慣れがいるが漆職人よろしく極薄いきれいな平面にグリスを仕上げられるのだ。お勧めである。
グリスは適量塗ることが大切で多過ぎても少な過ぎてもダメなのだが、平面に塗り残しがなければ薄いほど良いと思っているくらいでちょうど適量になることが多い。
明らかに少ないかな?と思うくらいの量のグリスで塗布し始めるのがコツで、足りなければ足せばよい。だが、久々の交換でこの心得の意識が薄れていたのか最初からちょいとグリス量をサービスしてしまった。つまり、少し多い。付属のグリスが初めて触る注射器タイプで面白くて、思わずグッと力入れ過ぎたな。「はい、お注射ですよ~」
※後から思えば注射器タイプの利点を活かし「吸い戻し」もありだったかもしれない。
それと、CPU上にクーラーを置くと摩擦が少ないためか横にスィーと滑る。ありゃ困った。
余分なグリスはクーラー設置前にかなり除去したが、それでもクーラーが滑って動いた方向の接合面の隙間から押し潰されたグリスがはみ出て、CPUの基盤に一部触れるほど横に漏れた。が、ソケット台の方にまでこぼれる様な大惨事ではないのでやり直さずにこのまま行っちゃう!
失敗のフォローに焦ってこの過程以降暫く撮影を忘れていた。ごふっ

③X字状金具で固定
ヒートシンクのCPU接合面とは逆側に小さなタボ(円筒状の突起)があり、端にばね付きねじの付いたX字状金具の回転軸周辺の窪みへ噛み込んで固定するようになっていた。AMD系CPUへの取り付けではこのタボが横側に位置するが、Intel系CPUへの取り付けなら天地どちらかの位置になる。クーラーがずれないようにX字状金具に引っ掛ける目的も兼ねて、PCケース天板側にタボが位置するようにクーラーを組み込みたい。
X字状金具でヒートパイプを挟み込んでねじを締めるわけだが、ねじにばねが付いてるので力加減が難しくやや緊張。締め付けトルクを一定にするために指先に入れた力だけで微妙な加減をした。これも対角線に何度かに分けて徐々にねじを締めていった。
締め付けに不足は無いと思うが、念のため後日観察してみる予定。

④X字状金具中央のねじ締め
このX字状金具の中央、CPUの真上にあるこれまたばね付きねじを指先の感覚頼りにほんの少しだけ締めてヒートシンク取り付け完了。この中央のばね付きねじはクーラー圧着の目的もあると思うが、クーラーのずれを防止する目的も兼ねていると思われる。強く締め過ぎるとCPUへの悪影響が心配なので、それほど強く締め過ぎないようにした。

⑤ファンの取り付け
ファンはクイックスナップファンブラケットって方式になっている。輪っか状になった針金で取り付ける、よくある方式よりも格段に取り付けやすい。
幅はファン込みで120mm。隣のヒートスプレッダ付きメモリとの間隔はわずか1mm弱。
ファンを定位置に取り付けようとするとメモリと干渉するもんで少し上に取り付けた。ケース側面との間隔は約1.5mmで高さもギリギリ。もっとも、Hyper 212 EVO自体が高さ159mmであり、最も高い部分であるヒートパイプ先端からケース側面までの間隔も約9mmなので元々あまり余裕は無いのだが。
ファンを上側にずらしたために、上側の振動防止ゴムが元の貼ってある位置では役に立たなくなっているので、ゴムを少し下側へずらす必要がある。ずらさないままだとファンの回転数が上がった時に共振音が出てしまった。

見切り発車でこの商品選んだけど何とか取り付け出来てよかった。ハァハァ。
完了記念にそこそこCPUに負荷のかかる3DゲームC9を30分間ほど遊んでからOpen Hardware monitorで各パーツの温度を測定してみた。ゲームばっかしとるな俺は・・・。いや、これは確認作業なのだ!
室温は26℃。
CPU         最高温度52℃ 測定時16.9℃
マザーボードチップ最高温度61℃ 測定時28℃
ビデオカード    最高温度56℃ 測定時42℃
SSDは不明
HDD         最高温度39℃ 測定時38℃ (画像には載っていない)

それにしても静かだ。静かなのに交換前よりも温度は低い。ブラボー!
ゲームで遊んでパーツにかかった負荷は最高温度に現れている。
CPUの測定時の温度が室温よりも低いが、これはCPU温度の計測が温度センサーによる実測ではなく、計算に基づく擬似的なものらしいからと耳にしたことがある。が、未確認で真偽不明。



(時系列が前後するがおまけで)
CPUクーラー取り外し編
CPUクーラーは取り付けるよりも取り外す方が格段に難しい。いわゆるすっぽん、すなわちCPU破壊が起こりうるからだ。
今回もリテールクーラーを取り外そうとしたらかなり固着気味。そういや、リテールクーラーに最初から付いてた灰色のグリス、粘性が高そうで厚みも結構あったなぁと思い出した。
グリスが固い時は無理をしてはいけない。決してむやみに力を入れるべからず。
ここで落ち着いて唯一無二の解決法?であるグリスの温度を上げてからの取り外しのため、CPUに負荷をかけるべく気分転換も兼ねて30分ほどゲームをしてみた。急がば回れである。
一息付くとOpen Hardware Monitor読みでCPU温度45℃。ふむ、60℃くらいまで上げることも出来るがまぁよかろう。

電源を落としてから再度取り外し準備。
すっぽんしてぶっ壊さないように力を天方向入れるよりも極わずかに左右に回転させる感じで徐々に力を入れる。回転させるための遊びがマザーボードのCPUクーラー取り付け台があるままだと確保できないので、取り付け台は先に外しておいた。
暫し慎重に力を入れていくと突然抵抗が無くなりカクンと外れた。good job俺!

外した直後のCPUクーラー

こちらは外した直後のCPU
周りに2、3落ちたグリスの欠片は拾ってから撮影した。グリスが元々クーラー側にだけ塗布されていたためか、意外とCPUの方にはグリスがくっついていない。

新クーラー取り付けに備えてCPUについていたグリスをきれいに拭き取っておく。
せっかくなのでCPU表面の文字を記録。
AMD FX
FD8120FRW8KGU
FA 1150PGT
9B18785L10495
DIFFUSED IN GERMANY
MADE IN MALAYSIA

リテールクーラーに付いていたグリスもきれいに拭き取り、他の部品と一緒に保管しておこう。