2012年5月30日水曜日

グラフィックスボード交換 GIGABYTE製 GV-R785OC-2GD

グラフィックスボード(以下、グラボという)と言うべきかビデオカードと言うべきか日頃迷っている(おそらくどちらでもいいが今回は略称を使える方採用)ことはさておき、
グラボをGIGABYTE製 GV-R785OC-2GDに交換した。
http://www.gigabyte.jp/products/product-page.aspx?pid=4155#ov
http://www.cfd.co.jp/gigabyte/vga/gv-r785oc-2gd.html
2012年5月10日購入 25,480円 TSUKUMOネットショップ

以前の記事(本気のSkyrimが要求するPCスペックなど)に書いていたように、今年はグラボの買い換えをかなり真剣に検討していた。
MSI R7850 Power Edition(記事はMSI R7850 Power Edition発表)にも興味があったが、いつ日本で流通するのか分からなかったので、グラボ交換写真を載せることにしていたPCケースのレビュー記事(PCケース Corsair製 Carbide 300Rのレビュー)締め切りが迫っていたこともあり本製品を購入した。
マザーボードが同じGIGABYTE製なので相性問題がまず出ないだろうという思惑もある。

取り付け後、Skyrimが無事起動すること、画像関連の自動設定がUltraになること、Ultra設定で少し遊んでみたところ描画にとりあえず問題がないことを確認した。
【追記】
Diablo3も画像関連の各オプションが自動設定でほぼ最高設定になった。その設定でノーマルモードのDiabloを倒すことろまでやってみたところ描画に何の問題も無かった。

GIGABYTE製 GV-R785OC-2GDの概要
  • チップは人気のRadeon HD7850。製造プロセス28nm 。
  • コアクロック 975MHz(本製品はオーバークロックモデルであり、リファレンスモデルは860MHz)
  • メモリクロック 4800MHz
  • ビデオメモリ GDDR5 2GB
  • 出力端子 DVIx1 HDMIx1 MiniDisplayPortx2
  • 2スロット占有
  • カード長 233mm(ブラケット[拡張スロット取り付け部のL字状ねじ止め金具]含まず 基盤は198mmだがヒートシンクと冷却ファンがはみ出ている)
  • 補助電源 6ピン1つ
  • 公称典型消費電力 未公開 (リファレンスモデルは130Wなので10W増しの140Wくらいか?)
付属品はクイックガイド、ドライバーCD、Crossfire Bridge、外部6ピン電源ケーブル。

4Gamer(以下、4亀という)のレビューがいつも通り大変詳しいので参照されたい。
「GIGA-BYTE GV-R787OC-2GD GV-R785OC-2GD」
http://www.4gamer.net/games/145/G014572/20120426113/
特に興味深いのはヒートシンクが斜めの向きになっている画像だ。
ケース背面への排気効率を狙ったものだろうか?斜めにせずヒートシンク自体をより厚くする方法もあるのに、斜めにする方を選んだ設計者の決断が面白い。



取り付け編
交換時のPCパーツ一覧
CPU:    AMD製 FX-8120 BOX
CPUクーラー:Cooler Master製 Hyper 212 EVO
M/B:    GIGABYTE製 GA-990FXA-UD3 Rev.1.0
メモリ:    Corsair製 CMZ8GX3M2A1866C9R [DDR3 PC3-15000 4GB 2枚組(合計8GB)]
GPU:    本製品(GIGABYTE製 GV-R785OC-2GD)
SSD:    A-DATA製 AS510S3-120GM-C [システムドライブ]
HDD:    日立製 HDT722516DLA380 [160GB ATA2 7200rpm データドライブ]
光学ドライブ: LG製 GH24NS70WH バルク [DVDマルチドライブ]
電源:    玄人志向製 KRPW-SS600W/85+ [80BRONZE]
ケース:   Corsair製 Carbide 300R
OS:     Windows7 Professional 64bit SP1(DSP)

補助電源をカード後方、つまりカード長がさらに長くなってしまう方向へ接続することに注意するくらいで取り付け自体に何の問題もない。あっさり短時間で完了。
当然だけど、マザーボード側端子横にあるストッパーのつまみを上にずらしながら取り付けるように。パーツ交換に不慣れな人だと特に取り外し時にこのストッパーの存在を忘れてて困ることがあるよな。PCケースの中は薄暗いし、グラボに隠れて見落としやすいからさ。

ドライバーは最新バージョンのCatalyst 12.4を入れた。5月下旬に12.5が公開されるらしいと聞いたが30日午前0時時点で未だ公開されていない。
交換前に使っていたGALAXY製 GF P98GT/512D3/LOW POWER(以下、旧グラボという)に使っていたGeForceドライバーを完全に削除するのに念のため、
Driver Sweeper(最新バージョンは3.2.0)
http://phyxion.net/item/driver-sweeper.html
を使用した。このツールはグラフィックスドライバー削除時に残るゴミがトラブルを引き起こさないように、完全に削除してくれるものだ。

負荷を与えるために3DMark11をperformanceモードで1回走らせた直後、Open Hardware Monitorで測定してみた。
室温26.5℃。ただし、PCケース内部監視のため側面パネル開放中。
最高温度49℃ 最低温度31℃。
CPU使用率100%、GPU使用率99%。
ファン回転数は可変にもかかわらず40%のまま。
4亀の記事では室温24℃で高負荷時それぞれ47℃、30℃だったので似たような結果だ。
ファンの動作音は全く気にならず静かなレベル。

ブラウザでネット見てる程度の低負荷状態になると、
電圧       1.038V  ⇒ 0.825V
コアクロック    975MHz ⇒ 300MHz
メモリクロック 1200MHz ⇒ 150MHz (←1200x4=4800MHz)
に自動で低下してるのがすごいわ。
AMD PowerTuneテクノロジーという機能らしい。AMD PowerTuneテクノロジーについてAMD公式サイトから引用した。
http://www.amd.com/jp/products/desktop/graphics/7000/7850/Pages/radeon-7850.aspx#3
AMD PowerTune テクノロジー
・インテリジェントTDP管理テクノロジー
・ゲーム向けのダイナミックなクロックスピード/パフォーマンス強化

そういえば、4亀記事でAMD ZeroCore Powerテクノロジー(以下、ZeroCoreという)について気になっていた。ZeroCoreについてもAMD公式サイトから引用する。
AMD ZeroCore Power テクノロジー
・システムのディスプレイがオフの場合に待機電力を大幅引き下げ
・デスクトップ作業向けの電力効率の優れた省電力モード
・不必要な場合にAMD CrossFire™構成のセカンダリGPUの電力を引き下げ
4亀の記事では「ファンが停止せず,消費電力も60Wまでしか下がらなかった」とあり、本製品GV-R785OC-2GDでこのZero Core機能が働かなかったという。私はワットチェッカーを持っていないので正確な検証ができないが、ファンが止まるかどうかなら確認できるのでやってみることにした。
10分でディスプレイ電源OFF、15分でスリープ状態になるように設定して、約18分経過してからファンを見てみるとちゃんと停止していた。それからマウスを動かしてスリープ状態を解除すると即ファンは回りだした。ってことでZeroCoreも機能しているんじゃないかなーと推測した。

【追記訂正】
4亀記事にあるロングアイドルモードなる耳慣れない用語を知らなかったために誤解していて、ロングアイドルモードがスリープモードと同義だと思い込んでた。ロングアイドルモードはスリープモードと異なり、別の状態を指す。
ロングアイドルモードの明確な定義はググって調べてみても分からないままなのだけど、アイドル状態かつディスプレイ出力OFFの状態を指すみたい。そもそも、スリープモード(今回設定のACPI S3)ならグラボのファンはZeroCore機能なくても止まるものらしいわ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%97_%28%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%29
なので、ファンの動作を観察すべきタイミングはZeroCoreの説明にある通り、ディスプレイ電源がOFFになる前後でなければならなかったのだ。上記の観察は的外れで間抜けだった。お恥ずかしい。
ということでファンの動きを再度観察してみると、ディスプレイ電源OFFになった10秒後くらいにファンは停止した。それからマウスを動かしてディスプレイ電源ONにすると即ファンは回りだした。ちゃんと制御されてるわ。
ZeroCoreが機能していると推測した結論について変更はない。



ベンチマーク測定編
1.エクスペリエンス インデックス (Window7付属機能)
なんと7.9であった。測定限界値が7.9なので測定限界を超えている可能性がある。Windows8では限界値を少なくとも10くらいまでは上げて欲しいものだ。12でもいいぞ。
ちなみに 交換前に使っていた GALAXY製 GF P98GT/512D3/LOW POWERは6.8。


2.3DMark11 Basic Edition v1.0.3 (Futuremark製)
http://www.futuremark.com/
PerformanceモードでP5589
Graphics Score 5682
Physics Score 5565
Combined Score 5013
4亀がCPUにIntel i7-2600Kを使ってP5878だったのでまずまずの数値じゃないだろうか。
2回目の測定での各数値はP5571、5680、5495、4964であった。測定結果にばらつきが少ないと聞く3DMark11でもけっこう数値変わるもんだわ。
余談だが、計測時msiとAntecのベンチマーク内広告が表示されていた。msiがRadeon系とGeForce系両方のグラフィックボードを発売している限りは3DMark11のベンチマークとしての公平性がなんとか保たれているんじゃないだろうかと思う。


3.CINEBENCH v11.5 (MAXON製)
http://www.maxon.net/en/home.html
OpenGL 51.95fps
CPU 5.01pts
nVIDIA系のGPUはOpenGLを現在重要視しておらず性能向上を図っていないそうで、AMD系GPUの測定結果と比較しても揮わないそうだ。nVIDIA系は何をOpenGLの代わりにしているんだろうか。
おまけで計測したCPUの方はFX-8120ちゃん揮わず。浮動小数点演算イマイチやしな。
次期FXはゲーマー向けにシングルスレッド当たりの性能も引き上げてよ。


4.FF14ベンチ
http://www.playonline.com/ff11/download/media/benchmark01.html?pageID=media
旧使用グラボとの比較の意味合いで測定した。
船に乗ってると怪物に襲われてリバイアサンまで出てくるやつね。
ディスプレイ解像度は1280 x 1024
選択肢はミコッテ(あっ これは関係ない?)
Lowモード Score 3128
あらら、とてつよ評価だけど冴えない数値だ。旧グラボでも2775だったんだがな。
計測直後の状態をOpen Hardware Monitorで見てみよう。
CPUが最大動作のコアで90.8%、GPUが65%しか稼動していないわ。いずれも100%いっていないし、7850ちゃんの真の実力出せてなさげ。計測中はカクツキがしばしば起こっていて負荷がかなりかかってる印象だったのにそうでもなかったんだな。
ちなみに、 Open Hardware Monitorは起動させたままFF14ベンチを回しても、OFFにしても結果に差は出なかった。

参考サイト
AKIBA PC Hotline! Junk Blog.: FF XIVベンチマークをテストしてみた -CPU/GPU依存度編-
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/blog/archives/2010/07/ff_xiv_cpugpu.html
どうも、自分が使ってるCPU AMD FX-8120とこのベンチの相性が悪いみたい。



最後に
本製品GIGABYTE製 GV-R785OC-2GDでこれから3年は戦えそうだ。できたらもっと長く頼むぞ!
交換前に使っていたGALAXY製 GF P98GT/512D3/LOW POWERは、3年以上前の省電力製品で、GPUチップは3年前よりもさらに前から流通していたミドルクラスの9800GTだったので、3Dポリゴン処理の重いゲームでは性能不足に陥って困っていた。
長い間壊れることなく頑張ってくれてありがとう!俺的PCパーツの殿堂入りである。


その他の参考サイト
http://www.videocardbenchmark.net/high_end_gpus.html


HD7850に関する当ブログ内の記事
HD7850と歴代チップの性能比較
Radeon HD7850製品リスト

2012年5月28日月曜日

CPUクーラー交換 Cooler Master製 Hyper 212 EVO

リテールCPUクーラーをCooler Master製 Hyper 212 EVOに交換した。
http://www.coolermaster.co.jp/product.php?product_id=6752
2012年5月10日購入 3,776円 e-TRENDにて

CPUを定格で使っている限りリテールクーラーの冷却性能でおおむね問題は無いが、CPUに高負荷がかかると静音性についてはほとんど配慮していないのであろう、うるさくて堪らない。
4000rpmくらいから音が気になりだすレベル。その後、5000rpmになるあたりまで一段と音が大きくなった後は最大回転数(この季節でなんと約6800rpm!本当に計測表示通りこんなに回転しているんやろか?)まで同じくらいの騒音が続く。ロボットアニメよろしく、CPU部分が勝手に分離して離陸しちゃいそうだ。
ファンだけ大型のものに交換する手法もあるが、PCケース Corsair製 Carbide 300Rのレビューの執筆にあたりCPUクーラーの交換を約束しているので今回はパス。
ってことで夏が来る前に冷却性能が高く、かつ静かな社外品CPUクーラーに交換することにした。AMDのCPU FX-8120ちゃんは発熱多めだしね。

Cooler Master製 Hyper 212 EVOは空冷式薄型サイドフロータイプ。
簡易水冷式クーラーが最近の流行りだが、取り付けが簡単過ぎるので今回は見送った。PCケース Corsair製 Carbide 300Rのレビューでの約束通り、マザーボードトレーのCPUクーラーバックプレート取り付け用の穴を利用して交換するのだが、せっかくなら取り付け難易度がより高い空冷式クーラーを選んでおこうかと思った次第。定格動作しかさせないので空冷式の冷却性能で十分過ぎるし。
どうもトップフロータイプよりもサイドフロータイプの方が冷却性能が高いらしいと耳にしていたのでサイドフローを選んだ。薄型なのは取り付けのしやすさと軽さを考慮したもので、冷却性能は薄型で十分だろうと考えた。
本製品を選んだのはネット通販で3,776円(送料無料)と比較的安かったのと、ヒートパイプ4本がCPUとの接合面できれいにくっついて並んでいるのが目を引いたから。CDC技術というそうだ。
是非ナデナデ、もとい、加工精度を実際に手で触れて確認してみたかった。

交換前のリテールクーラー
ファンのサイズは7cm。こんなに小さいとそりゃ回転数上げて風量を稼がざるをえないわ。

交換後のCooler Master製 Hyper 212 EVO
こちらのファンは12cm。ヒートシンクも大きいし、ファンの最大回転数が2000+10%rpmでも十分な冷却性能があるのだろう。
AMD系CPUに取り付けるとクーラーはこの向きでPCケース天板方向へ排気するが、Intel系CPUの一部には取り付けると向きが90度変わってケース背面へ向かって排気することになるものがある。



CPUクーラー取り付け編
交換時のPCパーツ一覧
CPU:    AMD製 FX-8120 BOX
CPUクーラー:本製品(Cooler Master製 Hyper 212 EVO) グリスはクーラー付属グリスを使用
M/B:    GIGABYTE製 GA-990FXA-UD3 Rev.1.0
メモリ:    Corsair製 CMZ8GX3M2A1866C9R [DDR3 PC3-15000 4GB 2枚組(合計8GB)]
GPU:    GALAXY製 GF P98GT/512D3/LOW POWER
SSD:    A-DATA製 AS510S3-120GM-C (システムドライブ)
HDD:    日立製 HDT722516DLA380 [160GB ATA2 7200rpm] (データドライブ)
光学ドライブ: LG製 GH24NS70WH バルク [DVDマルチドライブ]
電源:    玄人志向製 KRPW-SS600W/85+ [80BRONZE]
ケース:   Corsair製 Carbide 300R
OS:     OS:Windows7 Professional 64bit SP1 [DSP版]

①バックプレートの取り付け
PCケースCorsair製Carbide 300RにはマザーボードトレーにCPUクーラーのバックプレート取り付け用の穴が開いているので、マザーボードを取り外す必要が無い。この穴を利用して早速バックプレートを取り付けてみた。
先ず、マザーボード裏面が天井側を向くようにPCケースを横倒しにして、浮かして腕が入る隙間分を確保した。バックプレートを押さえつつ、PCケースに反対側から手を回してねじとナットで挟み込むのは不安定でなかなか難しいが、我慢強く取り付けていく。
ずれないように対角線に何度かに分けて徐々にねじを締めた。

②グリス塗布
メインイベント。
塗布前にCPU上にクーラーを置いてみると、接合面はわずかにクーラーの方が狭い。ということでクーラー側に塗布することにした。
自分はヘラの代わりに今となっては懐かしい、引き出しの奥に眠っている不要なテレホンカードを使う。これはQuoカード等の似たものなら別に何でも良い。使い始めにちょっと慣れがいるが漆職人よろしく極薄いきれいな平面にグリスを仕上げられるのだ。お勧めである。
グリスは適量塗ることが大切で多過ぎても少な過ぎてもダメなのだが、平面に塗り残しがなければ薄いほど良いと思っているくらいでちょうど適量になることが多い。
明らかに少ないかな?と思うくらいの量のグリスで塗布し始めるのがコツで、足りなければ足せばよい。だが、久々の交換でこの心得の意識が薄れていたのか最初からちょいとグリス量をサービスしてしまった。つまり、少し多い。付属のグリスが初めて触る注射器タイプで面白くて、思わずグッと力入れ過ぎたな。「はい、お注射ですよ~」
※後から思えば注射器タイプの利点を活かし「吸い戻し」もありだったかもしれない。
それと、CPU上にクーラーを置くと摩擦が少ないためか横にスィーと滑る。ありゃ困った。
余分なグリスはクーラー設置前にかなり除去したが、それでもクーラーが滑って動いた方向の接合面の隙間から押し潰されたグリスがはみ出て、CPUの基盤に一部触れるほど横に漏れた。が、ソケット台の方にまでこぼれる様な大惨事ではないのでやり直さずにこのまま行っちゃう!
失敗のフォローに焦ってこの過程以降暫く撮影を忘れていた。ごふっ

③X字状金具で固定
ヒートシンクのCPU接合面とは逆側に小さなタボ(円筒状の突起)があり、端にばね付きねじの付いたX字状金具の回転軸周辺の窪みへ噛み込んで固定するようになっていた。AMD系CPUへの取り付けではこのタボが横側に位置するが、Intel系CPUへの取り付けなら天地どちらかの位置になる。クーラーがずれないようにX字状金具に引っ掛ける目的も兼ねて、PCケース天板側にタボが位置するようにクーラーを組み込みたい。
X字状金具でヒートパイプを挟み込んでねじを締めるわけだが、ねじにばねが付いてるので力加減が難しくやや緊張。締め付けトルクを一定にするために指先に入れた力だけで微妙な加減をした。これも対角線に何度かに分けて徐々にねじを締めていった。
締め付けに不足は無いと思うが、念のため後日観察してみる予定。

④X字状金具中央のねじ締め
このX字状金具の中央、CPUの真上にあるこれまたばね付きねじを指先の感覚頼りにほんの少しだけ締めてヒートシンク取り付け完了。この中央のばね付きねじはクーラー圧着の目的もあると思うが、クーラーのずれを防止する目的も兼ねていると思われる。強く締め過ぎるとCPUへの悪影響が心配なので、それほど強く締め過ぎないようにした。

⑤ファンの取り付け
ファンはクイックスナップファンブラケットって方式になっている。輪っか状になった針金で取り付ける、よくある方式よりも格段に取り付けやすい。
幅はファン込みで120mm。隣のヒートスプレッダ付きメモリとの間隔はわずか1mm弱。
ファンを定位置に取り付けようとするとメモリと干渉するもんで少し上に取り付けた。ケース側面との間隔は約1.5mmで高さもギリギリ。もっとも、Hyper 212 EVO自体が高さ159mmであり、最も高い部分であるヒートパイプ先端からケース側面までの間隔も約9mmなので元々あまり余裕は無いのだが。
ファンを上側にずらしたために、上側の振動防止ゴムが元の貼ってある位置では役に立たなくなっているので、ゴムを少し下側へずらす必要がある。ずらさないままだとファンの回転数が上がった時に共振音が出てしまった。

見切り発車でこの商品選んだけど何とか取り付け出来てよかった。ハァハァ。
完了記念にそこそこCPUに負荷のかかる3DゲームC9を30分間ほど遊んでからOpen Hardware monitorで各パーツの温度を測定してみた。ゲームばっかしとるな俺は・・・。いや、これは確認作業なのだ!
室温は26℃。
CPU         最高温度52℃ 測定時16.9℃
マザーボードチップ最高温度61℃ 測定時28℃
ビデオカード    最高温度56℃ 測定時42℃
SSDは不明
HDD         最高温度39℃ 測定時38℃ (画像には載っていない)

それにしても静かだ。静かなのに交換前よりも温度は低い。ブラボー!
ゲームで遊んでパーツにかかった負荷は最高温度に現れている。
CPUの測定時の温度が室温よりも低いが、これはCPU温度の計測が温度センサーによる実測ではなく、計算に基づく擬似的なものらしいからと耳にしたことがある。が、未確認で真偽不明。



(時系列が前後するがおまけで)
CPUクーラー取り外し編
CPUクーラーは取り付けるよりも取り外す方が格段に難しい。いわゆるすっぽん、すなわちCPU破壊が起こりうるからだ。
今回もリテールクーラーを取り外そうとしたらかなり固着気味。そういや、リテールクーラーに最初から付いてた灰色のグリス、粘性が高そうで厚みも結構あったなぁと思い出した。
グリスが固い時は無理をしてはいけない。決してむやみに力を入れるべからず。
ここで落ち着いて唯一無二の解決法?であるグリスの温度を上げてからの取り外しのため、CPUに負荷をかけるべく気分転換も兼ねて30分ほどゲームをしてみた。急がば回れである。
一息付くとOpen Hardware Monitor読みでCPU温度45℃。ふむ、60℃くらいまで上げることも出来るがまぁよかろう。

電源を落としてから再度取り外し準備。
すっぽんしてぶっ壊さないように力を天方向入れるよりも極わずかに左右に回転させる感じで徐々に力を入れる。回転させるための遊びがマザーボードのCPUクーラー取り付け台があるままだと確保できないので、取り付け台は先に外しておいた。
暫し慎重に力を入れていくと突然抵抗が無くなりカクンと外れた。good job俺!

外した直後のCPUクーラー

こちらは外した直後のCPU
周りに2、3落ちたグリスの欠片は拾ってから撮影した。グリスが元々クーラー側にだけ塗布されていたためか、意外とCPUの方にはグリスがくっついていない。

新クーラー取り付けに備えてCPUについていたグリスをきれいに拭き取っておく。
せっかくなのでCPU表面の文字を記録。
AMD FX
FD8120FRW8KGU
FA 1150PGT
9B18785L10495
DIFFUSED IN GERMANY
MADE IN MALAYSIA

リテールクーラーに付いていたグリスもきれいに拭き取り、他の部品と一緒に保管しておこう。

2012年5月27日日曜日

PCケース Corsair製 Carbide 300Rのレビュー

(この文言はconeco.netの体験レビューに記載が定められている文言です。)

【追記】は記事の最後にあります。

はじめに
・coneco.net体験レビューについての説明はこの記事の最後に書いてあります。
・この「はじめに」の項目だけ丁寧な表現で書いてありますが、以下の記事本文はいつもの文体に戻します。
・このレビュー記事は以前に書いた記事パソコンケースの良し悪しの判断ポイントに沿って書きました。
・掲載画像が多いので使い回せる画像は複数回使っています。 読み込みの速さ狙いです。


公約について
体験レビュー応募時にどのようなレビューを書く予定かを公約としてconeco.netさんに知らせることになっている。
私が知らせた公約の概要は、「PCケースにマザーボードを付けたままCPUクーラー(およびビデオカード)を交換することを擬似的に体験してみる」であった。この擬似的に体験してみるという言葉がどういう意味かを説明しておく。

リテールCPUクーラーの冷却性能に不満は無かったが、CPUに負荷をかけるとファンの回転が4000rpmを越えたあたりから騒音が酷かったので、夏になる前に社外品のCPUクーラーに交換することにした。本製品に旧PCケースで使っていたPCパーツを移植するにあたり、同時にCPUクーラーを交換するのであれば、
セオリーに従い先にCPUクーラーを交換してからマザーボードをPCケースに取り付ける
べきだが、今回はあえて順序を逆にし、
先にマザーボードその他パーツ全てをPCケースに取り付けてから、最後にCPUクーラーを交換する。
本製品にはマザーボードトレーに穴が開けられており、PCケースからマザーボードを取り外さなくても、バックプレートを使用するタイプのCPUクーラーが取り付けられるようになっている。この流行の機能を体験するためにあえて取り付け手順を変えて、CPUクーラーだけを交換するかのように擬似的に体験してみる、というわけだ。


本製品の概要と外部リンク
商品名称はCarbide 300R。
型番はCC-9011014-WW。
コルセア製PCケースのカーバイドシリーズ(Corsair Carbide Series™)4製品の中で一番廉価なモデルである。
ミドルタワーゲーミングケース。電源下置きタイプで付属搭載電源は無し。
カーバイドとは炭化物のこと。ってことでカラーが黒なんだろうか。
なお、画像端が湾曲しているように見える(左側の木の柱が顕著)のは私の撮影技術が未熟なためであって、もちろん実際は正確な直線である。

価格比較サイトconeco.netの本製品ページ
http://www.coneco.net/PriceList.asp?COM_ID=1120125053

Corsair社の本製品ページ
http://www.corsair.com/en/pc-cases/carbide-series-pc-case/carbide-series-300r-compact-pc-gaming-case.html

国内正規販売代理店リンクスインターナショナルの本製品ページ
http://www.links.co.jp/item/cc-9011014-ww/


■組み込んだPCパーツリスト
CPU:     AMD製 FX-8120 BOX
CPUクーラー:リテールクーラー ⇒Cooler Master製 Hyper 212 EVO
M/B:     GIGABYTE製 GA-990FXA-UD3 Rev.1.0
メモリ:    Corsair製 CMZ8GX3M2A1866C9R [DDR3 PC3-15000 4GB 2枚組(合計8GB)]
GPU:     GALAXY製 GF P98GT/512D3/LOW POWER ⇒GIGABYTE製 GV-R785OC-2GD
SSD:     A-DATA製 AS510S3-120GM-C
HDD:     日立製 HDT722516DLA380 [160GB ATA2 7200rpm]
光学ドライブ: LG製 GH24NS70WH バルク [DVDマルチドライブ]
電源:     玄人志向製 KRPW-SS600W/85+ [80BRONZE]
ケース:    本製品(Corsair製 Carbide 300R)
OS:      Windows7 Professional 64bit SP1 (DSP)


■梱包について
側面にケース構成部品の展開図が印刷されていて非常に分かりやすい。

緩衝材の発泡スチロールは前面と背面全てを覆うタイプ。引越し時などのPC移動に備えて、保管する余裕があれば残しておきたいところ。


PCケースの良し悪しを判断する旧ポイントについての判定
はじめに述べたようにパソコンケースの良し悪しの判断ポイントに記載したポイントに沿ってレビューする。評価は優良可の三段階。

・デザイン ・・・評価 優
本製品が目を引いた最初のポイント。
ダミーの六角ねじをアクセントにした、シンプルな直線基調の落ち着いたデザイン。シンプルだが単なる直方体に近いようなつまらないデザインではない。
前面パネルにヘアライン(縦方向の非常に微細な筋彫り)加工が施されている。ヘアライン加工によって前面パネルに金属のような質感が与えられ、マットブラック(つや消しの黒)の色とも相まってプラスチックケースにありがちな安っぽさを感じさせない。
電源LEDとHDDアクセスLEDが白色なのも個人的にありがたい。常時点灯しているのに赤色だと落ち着かないからだ。
側面パネルを外したところ、内部まで黒色に塗装されて色が統一されている。こういうのが最近の流行らしい。

・サイズ ・・・評価 優
幅211(実測210だった)mm X 奥行き495(背面手回しねじを含まずに実測485)mm X 高さ474mm
ミドルタワーサイズのケースとして大き過ぎず、小さ過ぎず適当な大きさである。
ビデオカード1つ目の搭載部分の奥行きは41cmを超えている。GPUチップを2つ搭載するような超大型サイズのビデオカードの搭載も可能になっている。

・強度 ・・・評価 優
鉄板の厚さは0.80mm。(レビューを機会に買ってきたノギスによる手動計測)
色々な方向からケースにかなり強く力を込めてみたがたわむようなことはなかった。
一番不安な箇所となる側面パネルの両端を手で持ち、地面に対して水平に保ちながら、上下にユサユサ揺らしてみると、わずかにたわみを感じる程度。
裏面三辺にある山折の折り返しで強度を増している。
塗装の剥げにくさや、プラスチック部分の経年劣化の程度は買ったばかりで未だ不明。

・軽量度 ・・・評価 良
ケース重量約6.4kg。女性にも気楽に持ち運べて、かといって強度が落ちてしまうような軽さでもない適度な重さ。

・通気性 ・・・評価 優
前面、背面、側面、上面、底面それぞれにメッシュ加工された通気口が設けられていて通気性が最大限に確保されている。
ファンは購入時に前面に1つ、背面に1つの合計2つ付いている。いずれも3ピン端子で接続する。
前面 x2 14cmまたは12cm (14cm1つ標準搭載、もう1つはオプション。つまり、もう1つ付けたければ別途購入することになる。)

背面 x1 12cm (標準搭載)

側面 x2 14cmまたは12cm (オプション) ビデオカードの位置に2つ横並び

上面 x2 14cmまたは12cm (オプション)
と合計7つ設置できるようになっていて、これも最大限に確保されていると言ってよかろう。さすが、ゲーミングケースと謳われているだけある。

・防塵性 ・・・評価 可
前面、底面の通気口に防塵フィルターが設置されている。
前面の大きな防塵フィルターは前面パネルのプラスチック部分とメッシュ加工の金属板の間に挟まれており、その金属板の縁のでっぱりが折り曲げられて固定されているので気軽に取り外せる仕組みではない。本製品唯一と言っていい弱点である。
僅かな埃であれば掃除機で吸い取れば済むが、埃がある程度溜まってしまうと折り曲げられた金属板の縁のでっぱりを起こしてメッシュ加工の金属板を外すことになる。何度もでっぱりを起こしたり戻したりを繰り返しては金属疲労で破損する心配があるので、まめに埃掃除したい人は一度でっぱりを起こしたら2回目以降の掃除に備えて、両面テープでメッシュ加工の金属板と前面パネルを固定するなどの工夫をする必要があろう。
前面横側のフィルターは取り外せる。

また、底面電源部の通気口にあるフィルターも取り外せる。

上面の開口部がかなり大きく、金属のメッシュは目が粗いので、ファンを設置しない場合は粉埃対策に何らかのカバーをかけておきたい。ファンを設置した場合でもPCの電源OFF時にはやはりカバーが欲しい。

側面はファン未設置でもさほど埃を気にしなくてよいだろう。

・メンテナンスのしやすさ ・・・評価 優
ケースサイズがミドルタワーサイズなのでPCパーツの交換は楽々。
側面パネルは両側共に手で回せるねじ2つで固定されているので、取り外しにドライバーは不要。このねじと背面拡張スロットのねじが手回し可能なタイプだ。
また、これらのねじとマザーボード固定用ねじにはマイナスドライバーも使えるように溝が切ってある(いわゆるプラスマイナス形状)ので、万一プラスドライバーでねじ穴をナメても安心。

5.25インチドライブベイも取り付けにドライバーは不要。説明書に記載が無いので取り付け方法に戸惑うが、単に前面からドライブを奥へ押し込んでいけばよいだけだった。奥まで押し込む過程で横側止め具のPUSHと書いてある部分がパチッと跳ね上がる。外す時はこの部分を文字通り押せばよい。

シャドウベイにはドライブレールが4つ全てに付いており、これも説明書に記載は無いが、3.5インチドライブを取り付けるならドライブレールのたわみを利用してドライブのねじ穴へドライブレールの突起をはめ込むだけでよかった。ドライブレールには2.5インチドライブを取り付けるねじ穴も用意されている。
なお、画像のシャドウベイ上から3段目にあるSSDの位置は仮組み状態で、正常な取り付け位置よりも手前に来ている。
最下段にある付属品の入っていた小さなダンボール製の箱は、4つ目のシャドウベイを使う必要が無い限り、便利なのでこのまま外さずにドライブレールに付けておくことを推奨したい。余った付属品や外した拡張スロットの蓋などをしまっておくのに最適だ。付属品はケースと一緒にしておけたらそれに越したことはない。

前面パネルを下側に手をかけて外してみると簡単に取り外せる。出来る限り上部にある端子に余計な力がかからないように外したい。接合部は金属になっていて繰り返し取り外しても安心の強度。
5.25インチベイの蓋は簡単に付けたり外したりできる。
前面パネルの大きな防塵フィルターについての注意は防塵性の項目で書いた通り。

・安全度 ・・・評価 優
PCケース内部の鉄板の縁の加工処理具合は非常に良好。丁寧に折り曲げ処理がなされていて手を怪我する危険はまず無い。ただ、電源部あたりの突起など、一部尖っている箇所については怪我をしないように注意しよう。

・拡張性 ・・・評価 優
5.25インベイ x3
シャドウベイ 3.5インチまたは2.5インチ x4
ケース背面の拡張スロット x7
シャドウベイは4つもあれば一般用途には十分だろうが、録画PCやRAIDなどでたくさんドライブを積む人は数に注意だ。

・静音性 ・・・評価 可
この項目は残念ながら本製品にさほど期待できない。ケース内部に組み込んだPCパーツのファンの回転数がうるさいレベルまで上がってしまうと、ケースのあちこちにメッシュ加工された通気口が設けられているので、その音がだだ漏れになってしまう。ゲーミングケースであるがゆえに通気性を優先し、静音性は犠牲になっているのだ。
ケース底面四隅にあるゴム足は防振に効果がありそうな少し柔らかめの素材でよさそう。

・価格 ・・・評価 優
coneco.netの本製品ページへの外部リンク
http://www.coneco.net/PriceList.asp?COM_ID=1120125053
価格は上記リンクをご覧いただきたい。記事執筆時の掲載価格は約7千円~1万円。
個人的には本製品のような良い作りのPCケースがこんな値段で買えるとは驚いた。非常にコストパフォーマンスが高いと感じる。


PCケースの良し悪しを判断する新ポイントについての判定
新ポイント(新とはいえ、ここ10年間ほどで付加されたもの)として挙げてあるものは以下の7つ。

・前面端子 ・・・評価 優
USB3.0 x2
イヤホン端子とマイク端子 各1
が用意されている。
USB3.0端子は背面USB端子からの延長ではなく、マザーボードへ接続するタイプなので、手持ちのマザーボードにある端子の規格と合っているか見ておきたい。特に、USB3.0登場初期の頃は端子形状に混乱が見られたので、この頃のマザーボードを使っている場合は注意を要する。以下の画像で端子の形状を見てとって欲しい。

・HDD、SSDなどの横向き設置 ・・・評価 優
シャドウベイが横向き設置となっている。

・HDD、SSDなどのドライブベイの取り外し ・・・評価対象外
この項目はビデオカードから水平延長部分にはじめからドライブベイが無く、評価対象外である。
シャドウベイ部分は取り外しできないが、メンテナンスのしやすさの項目で書いた通り、ドライブレールが用意されているので取り付けやすさはドライブベイを取り外せる場合以上に優れている。
ドライブベイを取り外す目的はドライブを付けやすくするのと、長大なビデオカードの搭載を可能にすることなので、はじめからドライブベイが無くても本製品はそれらの目的を害していない。
ただ、ケース内の支柱が1つ無いのと同じになるので強度が心配になるが、強度の項目で書いたように何の問題も無いので安心だ。

・CPUクーラー取り付け用の穴 ・・・評価 優
かなり大き目の穴が用意されている。対応するCPUの位置が多くてよい。
体験レビューでAMD製CPUを使っていた方が他にいたかどうか把握していないが、画像をご覧いただけばこのマザーボードのAM3+ソケットの位置を把握してもらえるだろう。
今回マザーボードを取り外さずにCPUクーラーを交換してみたが確かに楽だ。
変更前 リテールクーラー

変更後 Cooler Master製 Hyper 212 EVO
このCPUクーラーの高さは159mm、幅はファンを含んで120mm。
ヒートパイプ先端からケース側面までの余裕は約9mm。
隣の赤いヒートスプレッダ付きメモリとの間隔はわずか1mm弱。ファンは定位置だとメモリに接触してしまうので少し上に設置したら、ケース側面との間隔は1.5mmくらいしかなかった。かなりギリギリ。
なお、下の画像だとCPUクーラーファンとビデオカードの基盤の間隔は錯覚なのかあまり空いて無いように見えるが、実際は6cm近く空いている。
詳しい交換レポートは記事を改めた。
CPUクーラー交換 Cooler Master製 Hyper 212 EVO

・裏面配線 ・・・評価 優
裏配線スペースの幅は約20mm確保されている。
今回のパーツ取り付けではそれほど裏面配線を徹底しなかった。裏面に回すのを止めたコードがいくつかある。
特に、CPU脇の4+4ピン ATX12V電源はコードを裏から回そうとするとケース角の隙間から通すことになるが、自分の使用している電源では最短距離でないことが影響して、コード長(55cm)が厳しくてギリギリ届くかどうかという状態だった。
何が何でも裏面から配線しようと無理をしないことだ。将来取り外す時の取り外しやすさも考えて、使用しているPCパーツに合わせて表から配線することも検討しよう。

・PCケース前面・背面以外の通気 ・・・評価 優
上の通気性の項目に書いたように十分確保されている。

・水冷対応 ・・・評価 優
水冷クーラー用のホース穴が背面に3つ用意されている。
また、ケース上部にCorsair製の人気大型簡易水冷クーラーCWCH100の設置が、Corsair公式HPにて可能だと記載されている。これは同じ製造会社のPCケースとCPUクーラーを使うメリットの1つだろう。


■ビデオカードの交換
交換前 GALAXY製 GF P98GT/512D3/LOW POWER

交換後 GIGABYTE製 GV-R785OC-2GD
GV-R785OC-2GDのカード長はファンを含めると233mmである。補助電源がカード後方へ延びているがそれでもまだまだ空間に余裕がある。
詳しい交換レポートと各種ベンチマーク計測結果は記事を改めた。
グラフィックスボード交換 GIGABYTE製 GV-R785OC-2GD


Open Hardware Monitorによる測定結果
フリーソフトOpen Hardware Monitorを使い各パーツの温度を測定してみた結果を掲載しておこう。
室温26℃。Carbide 300Rケースを使用し、CPUクーラー変更後・ビデオカード変更前の状態。
3Dモデルのゲームを小一時間遊んでそれなりの負荷をかけた後、この記事を書いていて30分間くらい経過した時点のアイドル状態に近い状態で測定したもの。
CPU         最高温度52℃ 測定時16.9℃
マザーボードチップ最高温度61℃ 測定時28℃
ビデオカード    最高温度56℃ 測定時42℃
SSDは不明
HDD         最高温度39℃ 測定時38℃ (画像には載っていない)


■総合評価
PC自作初心者からゲーマー、オーバークロッカー、自作熟練者まで広くお勧めできる。
最初にざっと全体を見たところ完成度が非常に高く、ならば減点方式で粗探しをしようとしても難点は見当たらない。説明書の記載内容の不足は現物をいじればすぐ分かるし、さしたる問題ではない。

難点を強いて挙げるなら静音性だが、これは通気性を重視したPCケースなので静音性までも求めるのは酷というものだ。それでも、静音性重視のPCケースに後から通気性を求めるのはかなり無理があるが、通気性重視のケースに後から静音性を求めることは可能だ。私のように限界性能の高いパーツを組み込んで、簡単に高負荷状態にならないようにする手法がある。また、自分の使用用途に不要だと思う通気口があれば塞いだり、パネルに吸音シートを貼るといったような工夫も可能だ。

PCパーツは日進月歩だけども、6年ぶりとなった新ケースを眺めていると、PCケースのようにアナログな部分まで進歩が目覚しいことに驚いた。
出来がよいPCケースなので黒以外に白・アイボリーなどの色違いが欲しくなる。


以下はレビューと直接関係が無い内容である。
PCケースを変えるに至った動機
CPUクーラーを換えたくなったのだが、今まで使用していたPCケースのマザーボードトレー(マザーボードを取り付ける面)には穴が開いていないので、マザーボード裏側からバックプレートを使用するタイプのCPUクーラーを取り付けるには、いったんPCケースからマザーボードを取り外す必要があった。PCケースからマザーボードを取り外すってことは、PCパーツ一式全てを交換するのと手間がさほど変わらないことを自作する人ならご存知だろう。
また、イヤホン用端子(夜にゲーム音を抑えるためイヤホンを使っている)や、USB端子(サブPCとのデータのやり取りにUSBメモリを使っている)が、PCパーツ仮組みに使ったPCケースENERMAX CS-710には前面になくて不便な思いをしていた。仮組み後無事動いたので面倒くさくてそのまま使用していたのだが、これら端子はケース後方にあっても抜き差しが手間だし、特にイヤホンはコード長に制限があるので自分の動きまで制限されてしまう。
ってことで、PCケースも適当な物があればこの機会に換えておきたかったわけだ。


最後に
この記事はブログの他の記事とはガラリと趣きを変えたものとなっている。
記事の最初および最後にある文言「coneco.netの体験レビュー」とは、
1.レビューする対象になった品物についてレビューをしたい者がconeco.netさんに応募し、
2.当選すればconeco.netさんからその品物が貸与され、
3.書いたレビューがconeco.netさんからレビューとしての水準にあると認定されれば、
4.貸与してもらった品物をもらえる
という流れの仕組みのものである。通常、体験レビューは価格比較サイトであるconeco.netさん自身のサイトへ記載するのだが、今回外部の個人ブログへの記載も一部の対象商品について認められており、この記事はそれによるものである。普段と異なり、ブログのこの記事を書いた報酬として対価を受け取っていることを明記しておく必要があった。
しかし、私の流儀として、対価を受け取っていても巷にあるようないわゆるちょうちん記事を書く気はさらさら無いので、もし商品に悪い部分があれば隠さずにずばり指摘する。内容の公平性を損なうやらせの類は一切ないことを宣言しておこう。ただ、社会性が求められるレビュー記事であるので、普段たまに吐いている暴言をここでは止め、極論めいた意見も必要がないなら言わないでおいた。


【追記】
1ヶ月間を経過したので規定通り追記レビューをする。
記事執筆以降、毎日PCを使っていて気が付いたことは以下の1つのみで、他に特筆すべき事柄は無い。

異音がPCケース内部から僅かに聴こえてきていたので、発生源を調べてみるとHDD取り付け部からの共振音だった。
不審に思い、レールに取り付けたままのHDDを設置場所へ2、3度出し入れしてみたら共振音は無くなった。当初奥まで押し込んで定位置に収まったと感じたことを記憶していたが、実際は上手く収まっていなかっただけだろうか?
何にしても現在共振しなくなったので問題は無い。

【追記2】
ケース側面が透明アクリル板になった別モデル「CC-9011017-WW」が2012年7月14日に発売された。
側面パネル以外の変更点は無いようである。
ケース内部に光るパーツを組み込んでドレスアップしたり、ファンなどのパーツの様子・挙動を監視したりしたい人には便利だ。
元になったモデルCC-9011014-WWよりも10ドルだけ設定価格が上がった。
http://www.corsair.com/en/pc-cases/carbide-series-pc-case/carbide-series-300r-windowed-compact-pc-gaming-case.html
http://www.links.co.jp/item/cc-9011017-ww/

【追記3】
共振音がもう1箇所、前面パネル右横の細長いフィルター部からたまに出たことがあった。取り外せる、別パーツであるということは共振する可能性もあるということだ。

(この文言はconeco.netの体験レビューに記載が定められている文言です。)