2013年10月23日水曜日

PCパーツメーカー「サイズ」のインタビュー記事

コンパクトなPCケースで使えるロープロファイル(小型、背が低い)CPUクーラーを最近探してみたところ、サイズ(Scythe)の製品がかなり目に付く。
そのサイズのキーマンへのインタビュー記事がエルミタに載ったので読んでみたら、かなり驚かせる内容がいくつかあった。とてもいい記事で出色の出来。来月中旬に入るまで忙しくてブログ休んでたんだけど、いい記事見たんでコメントせずにはいられんかった。

エルミタージュ秋葉原のインタビュー記事より。
10周年を迎えた国内PCパーツメーカーの老舗サイズ、そのモノづくりへのこだわりに迫る
http://www.gdm.or.jp/review/2013/1022/47015
渡辺氏: 今まで扱ってこなかったアイテムへの積極的な展開をはじめています。その代表例がJONSBO製のPCケースですね。この手のコンパクトなアルミ製PCケースは、これまであまり注力していませんでしたが、小型PC環境の普及に合わせて、社内全体の取り組みとして、今後も強化していきます。また、店頭でのアピールもより一層強化したいですね。見た目も良くてコンパクト、さらに最新ゲームも動作するといったPCを、サイズ製パーツを使い組み上げて、店頭デモなどしていきたいと思います。
渡辺氏: 数年前のCOMPUTEXで見つけ、「是非やらせてくれ」と。今まで「MONOBOX」シリーズで展開していたものを、今後はJONSBOの名前で販売していきます。MicroATX対応の新モデルも用意していますので期待して待っていてください。
JONSBO U2の紹介記事はこちら。
http://www.gdm.or.jp/crew/2013/0906/43016
U2はかなり興味を持った製品だったのでメモしていた。フルアルミケースにしては10,800円と安いしね。その内作りたいと思っているサブPCで、ケースを買うとしたら候補の1つ。


杉田氏: 例えばですが、ヒートシンクから飛び出しているヒートパイプの先端がありますよね。それぞれ独特な形状をしていますが、詳しい人ならそこを見ただけで採用しているヒートパイプのメーカーや品質がすぐに分かります。
うーん、マニアック!プロはすげーな。


杉田氏: これは私自身がラボで検証した結果ですが、Aというヒートパイプダイレクトタッチ式のCPUクーラー(某大手メーカーのヒットモデル)をテストしたところ、Sandy Bridgeを4.4GHzにオーバークロックした場合の温度は約70℃。まぁこんなものだろうと次に4.6GHzまで上げる。すると約90℃まで一気に温度が上昇しました。オーバーヒート寸前ですね。  経験上、私のテスト環境では、冷えるとされるCPUクーラーは4.4GHzから4.6GHzまで上げた場合に、おおよそどのモデルでも約10℃の温度上昇に抑えられています。それがヒートパイプダイレクトタッチ式のCPUクーラーでは、Aに限らず“ヘロヘロ”になってしまう。つまり、中級から上級のオーバークロックにはまったく向いていない方式と言えます。そのため、弊社の主力製品では選択肢としてまずありません。
編集部: サイズとしての見解では、ヒートパイプダイレクトタッチは冷えないという結論でいいでしょうか。
渡辺氏: 結論から言えばそうなります。正確には、ある一定以上の冷却性能が出ないということでしょうか。ハッキリとした理由は社内でも見解が分かれるところです。杉田は「ヒートパイプを平坦に加工するのが良くない」という意見。私は他にもベースとの接着方法やヒートパイプそのものの選択等、さまざまな要因があるのではないかと考えています。不思議ですよね。初めて目にした時は「なんて革新的な方法なんだ」と思いましたから。でも冷えない。奥が深いです。
一番驚いた箇所がこれ。
俺のゲームPCにはこのヒートパイプダイレクトタッチ式のCPUクーラー(ブログ記事CPUクーラー交換 Cooler Master製 Hyper 212 EVO)を使ってる。プロが思うんだもの、俺も革新的だと思ったさ。オーバークロックしないからいいんだけど・・・。


(水冷についてのコメント)
杉田氏:中には冷えないモデルも少なくないですね。中途半端に水冷を使うくらいなら、空冷クーラーでしっかりと冷やしてあげた方が絶対にいいですよ。
水冷は使ってないから知らなかったけども、駄目なのが結構混じってそうだわ。


渡辺氏: 最近の急激な円安のせいでしょうか。一時なりを潜めていた80PLUS非対応の激安電源ユニットが増えてきましたね。相変わらず品質の悪さは変わっていません。容量を100W~150Wは詐称しており、謳っている数値は出ません。
編集部: 電源ユニットを扱うメーカーとして、店頭でユーザーでも分かる判断基準などあるのでしょうか。
渡辺氏: 店頭で見るだけでは難しいですね。知識を持って中身を開けてみないことには分かりません。ただしPCパーツに限らず「極端に安いものはおかしい」です。もちろんセール等で安い場合もあります。弊社でも在庫の関係で値下げをする場合がありますから。そういう時はどんどん買っていただいて構わないのですが、「いつでも安い」というのは、絶対になにか理由があります。
電源もピンキリ。電源についてはそこそこ知識があるし、今さら80PLUS非対応の電源なんて買う気はないから大丈夫だけど、実情を知らないPC素人なら要注意だ。